この時代採用でお薦めの学生

山近義幸氏

株式会社ザメディアジョンCEO(最高経営責任者)/山近義幸
昭和36年11月22日山口県玖珂郡由宇町の農村に5人兄弟の末っ子として生まれる。
小学校、中学校とトップ集団として目だった存在だったが、兄弟の死など不運もあって山口県立岩陽高校時代に大きく挫折。27歳に現在の出版社ザメディアジョン設立まで広告代理店、タウン誌の会社などで苦難の修行時代を過ごす。法人化と同時に就職及び採用支援事業に進出。
毎年10000名を超える学生を面接、500名を超える経営者・人事担当者と会うことを日課とする。著書「内定の達人」は1993年創刊。学生の圧倒的な支持を得、03年11月発売の「そいつに社運をあずけられるのか」が、アマゾンの週間ベストワンとなり、経営者や人事向けの講演依頼が殺到している。

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■ この時代採用でお薦めの学生

 こんにちは、株式会社ザメディアジョンの代表をしています、山近義幸です。今日は、来期の新卒市場を考えると、特に大手が採用枠を拡大に走っていますので、中堅企業はかなりご苦労されると思います。そこで、私が年間1万名以上の学生と会って、こいつは優秀だ、採用したい、と思う最近の傾向をお話したいと思います。

1.「道」が付く習い事をした経験のある学生。特に書道がいい。礼儀もあり落ち着いていてその上、コツコツとやる習慣が身についている。
2.「刺身のツマを残す人はだめ」。これは京都の元芸子さんの本にあったことですが、食べ方のマナーがなっていない人はダメ。食事面接を取り入れている会社があるくらいで、「ごちそうさま」「いただきます」がしっかり言える人。
3.「挫折」「失敗」「失恋」「大病」の経験がある人。要するに苦労とは何かを経験した人間。
4.「ありがた味」「人間味」「面白味」がわかる人。
5.夜間学生、編入学生、奨学金を利用している人。やはり苦労を知っている。
6.浪人した学生。ストレートで入った学生より、親に負担をかけた等の切迫感がある。これは、実際に私のインターン秘書をしてくれた京大の学生も言っていた。
7.「学歴」と「資格」は認めるべきだ。頑張った証拠。何でも平等で、いわゆる「差」をつけない社会がおかしいわけで、会社は順位で評価されるし、戦いである。
8.第一印象は信用出来ない。見た目だけで判断して欲しくない。
9.本を読む。映画を見る。新聞を読む。要するに「感性」を鍛えている人。
10.留学生。特に東南アジア方面に留学して帰ってきた学生。それと日本に留学で来ている学生(外国人)は、死語となった「ハングリー精神」を確実に持っている。
11.体育会系の学生。以前から引く手あまた。説明の必要はないでしょう。
12.両親からどう躾られたか。どんなことを教えられたか。家族を大切にする人。
13.「学歴」は大事だといったが、ただしガラスのエリートはダメ。面接でわかる。
14.歴史をなめる人間、歴史を勉強していないのはダメ。
15.「目はやる気」「顔は履歴」「文章は根気」がわかる。その上筆圧からは情熱がわかる。文字の大きさでは神経の図太さ、細やかさも読める。
16.質問力のある人。面接などで聞く力のある人。興味を持つ力がわかる。
17.独り住まいの学生の方が、金銭感覚が鋭い。やはり自立心がある。女子の一人住まいをいまだに毛嫌いする企業があるようだが、私には信じられない。

 以上17項目を淡々と話ましたが、今年は当社でも実際に千名の学生の中から以上の基準を基に7名に内定を出しました。当社内定の学生達は、早くもインターンとして、名刺を与え社員に近い仕事もしています。みなさまの採用でのお仕事に参考になればさいわいです。ありがとうございました。

インサイト No.6
2005年1月6日

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