新卒採用活動の成否は採用コンテンツで決まる
長尾小百合(株式会社ワーク 代表取締役社長)
大学卒業後、出版社2社を経て1990年に株式会社ワークを設立。新卒採用に特化して、のべ1300社の企業の採用コンテンツづくりをサポート。就職ポータルの原稿、入社案内、コンセプトブック、採用ホームページ、説明会用PPTなどの制作を通して、学生の効率採用をサポートしている。企業の採用状況を分析し、その成功ストーリィを加速させる「戦略ツール」が好評。長年に渡って信頼されるクライアントには上場企業も多い。普段は魅力編集のプロ、あるときは笑える講師として活躍。夜は楽しい酔っぱらいとして、その場にいるだけで場を沸かせることを得意としている。
はじめに
06年度は求人倍率が1.6倍に跳ね上がり、新卒採用マーケットは競争が激化しました。さらに07年度の新卒採用マーケットは、団塊の世代の定年退職がはじまる07年問題やニートの増加などさまざまな要因が重なり、バブル期並みの売り手市場になるとも言われています。このようなマーケットの中で、新卒採用を勝ち取るにはどうすればいいのでしょうか?
新卒採用の成否は、採用コンテンツ次第で決まります。「どんなポータルサイトを利用するか」も大切ですが、「ポータルサイトに何を載せるか」の方がもっと重要です。ほかにも、入社案内をどう作るか、採用ホームページをどう仕掛けるか、合同会社説明会ではどんなストーリィで学生を惹きつけるか、会社説明会をどんな内容にするか、内定者フォローにどんなツールを投入するか等々。新卒採用活動には、明確なコンセプトを持ったコンテンツ作りを行う必要があります。
【コンテンツづくりのポイント】
●欲しい人材像の設定
ターゲットが決まらないと、その人を惹きつけるコンテンツを考えることができません。まずは事業計画から必要な人材要件を設定。欲しい学生のスペックやタイプなどを言語化しておくことが大切です。
●採用ブランドづくり
採用活動を通して学生に発見してもらうため、覚えてもらうため、ファンになってもらうために、ブランドづくりが必要です。まずは採用コンテンツの骨子ともいえるコンセプトを作りましょう。採用コンセプトは次の6つの条件を満たしている必要があります。①働く上での自社の魅力を一言で表現している、②ターゲットをひきつけるものである、③競合が使っていない、④好ましい表現、⑤覚えやすい、⑥印象的。コンセプトが決まったら、コンセプトを視覚的に訴えるためのビジュアルも用意しておきます。
●採用ツールづくり
まずは、母集団形成から内定者フォローまで、採用フェーズごとの目的に合わせた採用シナリオづくりを行います。それを入社案内や採用ホームページ、会社説明会のパワーポイント、ビデオなどの具体的なツールに反映します。
インサイト No.8
2005年10月1日