ヘッドハンターから見た採用面接のツボ

佐藤文男

1960年東京生まれ。84年一橋大学法学部卒業後、日商岩井、ソロモンブラザーズ・アジア証券、ブリヂストンを経て、97年に東京エグゼクティブ・サーチへ入社し、人材スカウトビジネスの世界に入る。2000年10月常務取締役に就任。現在、東京エグゼクティブ・サーチを離れ、フリーで講演活動や執筆で活躍中。
著書では、今年3月に「転職診断」をプレジデント社から出版。他に『転職でキャリアをつくる!』ダイヤモンド社等がある。
佐藤氏のホームページ→http://www.fumio-sato.com

■ 講 演

■ 人材セミナー講座から

当社では定期的に、人事のみなさんにご参考になる講演者をおよびして、人材セミナーを開催しています。今回は、8月26日に開催された人材採用戦略セミナーからご報告します。当日は、人材コンサルタントの佐藤文男氏に「ヘッドハンターから見た採用面接のツボ」と題し講演をいただきました。特に中途採用の面接においては、大変参考になるお話が聴けました。

「ヘッドハンターから見た採用面接のツボ」

1.中途採用の現状
 現在の日本では本格的な人材の流動化は進んでおらず、結果「良い人材」ほど現状の会社に留まっている傾向にある。
2.全ての会社に中途採用は必要か?
 中途採用のメリットとして会社の画一化を防ぐことが出来る。ただしバランスの問題であり、新卒採用・中途採用の良いバランスを見つけることが肝心である。
3.中途採用の前に自らの会社を客観的に把握する。
 自社の強み、弱みを把握することにより配属先を絞り込む。弱い部門の責任を中途採用者に押し付けるようなことは望ましくない。中途採用者が最初に「駄目」というレッテルを貼られた場合、そのイメージの払拭には膨大な時間が必要とされるからである。
4.中途採用にあたってのポイント
【1】新卒・中途採用の違いを認識する。
【2】経歴と実力の相関関係~大企業出身というブランドだけでは?がつく現状。
【3】1人が与える会社への影響は甚大。場合によっては二乗、三乗のマイナスとなる。
【4】試用期間の必要性。最低3ヶ月間は必要。情が移っても駄目なものは駄目と判断する。
【5】採用そのものより1年間は勤務して会社に貢献してもらうことを前提に考える。

5.中途採用面接のツボ
(1)経歴書の内容確認
最近は経歴詐称が多くなっている。MBA卒業の経歴が嘘であったケース等詐欺師まがいの人間が実存する(卒業証明書の偽造なども有り得る)。
(2)面接のツボ 10か条
・第一印象(インパクト)は大切である
・服装(身だしなみ)は最低限のマナー
・マナー(礼儀及び姿勢)が悪ければ避けるべき
・眼(視線)はその人の本質を示している
・声(話し振り)
・性格(人間性) 対人関係の方が営業では専門性より上である
・知性を感じさせる言葉のキャッチボールは出来るか
・柔軟性(謙虚さ)がある人は伸びる人間
・会社との適合性すなわち自社のカルチャーとマッチするか
・会社への志望度が強い人ほど優先

インサイト復刻版 No.1
2003年9月18日