第36回 社内ネガキャンへの対処

若い社員の定着がなぜか悪かったり、社員の中で派閥が存在しているような噂が聞こえてきたり、「一見秩序が守られているようだけど、責任者がいないとそうでもないよ」という話もあったり…どうしたものかと悩むことってありませんか?

会社や上司に対して不平不満があり、ぼろっと悪口をいうのは誰だってあります。珍しいことではありません。ストレス発散として、お酒を飲みながら愚痴を言って、笑い合うことでスッキリする。次の日になると何事もなかったように業務に取り組む…そういう光景は若いな、可愛いなとすら思います。しかし、会社に対する不平不満を持ち続けて、周囲に悪影響を与え続けるのは話が違います。よくあるパターンは、年上の女性社員がいて、社歴は長いものの、成果としては可でも不可でもない。表面は上司には従順だが、裏ではいろいろと不平不満を言い、他人の悪口もよく言う。好きな子には世話焼くが、嫌いな子に対しては徹底的にいじめ、退職まで追い込むこともあり得ます。

悪いことに、チャットツールが普及している今の世の中は、このアンダーグラウンドコミュニケーション(ネガキャン)にとっては絶好のチャンスです。社員の間でいくつもグループチャットが勝手に作られ、ネガティブな話も含めて、いろいろな話が勤務時間中に飛び交っています。本来、対面対話であれば解決できるような誤解も、チャットで延々と言い合いになり、真面目なスタッフほど疲弊し、モチベーションと生産性低下に繋がります。これは経営管理にはまったく伝わってきません。いわゆる津波みたいなもので、突如スタッフが退職したり、みんなで会社の制度を反対したりする形で出てきます。実にとても厄介なものです。

当然、最初からよい制度設計をして、よいスタッフに恵まれれば、そういったようなことは起こりませんが、起きてしまったら(あるいは起こりそうな時は)、どうやって是正するかとても重要です。やることは2点があります。コミュニケーションと問題解決に対して、啓蒙することとルール化することです。わが社では、具体的には以下のように伝えています。

  • コミュニケーションに関して:
    対面対話を推奨します。できなければ、電話→メール→チャットという順位で、考えて、コミュニケーションしてほしいです。安易にチャットを選んで使うのではなく、上位の手段を利用できるように努力してください。社内コミュニケーションは会社が容認するツールのみ利用できるものとします(勝手にZALOグループチャットなどを作らないように)。
  • 問題解決に関して:
    社員は問題解決に努めることが期待されています。自己解決できない問題は周囲に相談してから、上長と議論することを推奨します。相談相手は、役職のあるリーダークラス以上が望ましいです。問題解決しようとせず、悪口を言ったり、他人を誹謗中傷したりする行為は、チームリーダーとチームメンバーの信頼関係を損なう行為のため、チームから外すことがあります。

この2点を社員に対して、一人ずつ説明し、しっかりと理解させて、それから、きちんとルールを守ることを約束させることをお勧めします。皆さま業務の参考になれば幸いです。