第34回 行動管理で成果を上げる
新人を早く成長させるために、しっかりと行動管理することは、管理者であれば、誰でも思うことではないでしょうか?しかし、自信をもって、効果的な行動管理ができていると言える管理者は多くないはずです。ほとんど、中途半端で終わっているケースが多いのではないでしょうか?
行動管理において、一番大きな失敗理由はチェックが徹底的にできていないことが挙げられます。とくに小さな組織だとほとんどはプレイングマネージャーなので、日常業務が忙しい上、突発的なトラブルシューティングもあり、どうしてもチェックが後回しにされてしまいます。また、日系企業だとありがちですが、日報フォームを使うのもチェックしづらい原因です。ファイルがばらばらだったり、紙ベースでの提出だと、作業時間はデータとして時系列に蓄積されないため、特定の行動の変化(作業時間の短縮)が見えづらいです。管理者がその変化(スタッフの成長)を追いづらいだけではなく、スタッフ本人も成長を実感しづらいのももったいないですね。それから、営業スタッフに関しては、コンバージョン率の低い高いはスタッフの能力を表すものですが、上記のような日報でコンバージョン率を追えるのはかなりの労力が要します。
まずは日報をデータ蓄積可能な共有型Excelファイルを作りましょう。使い勝手の良いようにするには少しExcelのワザが必要ですが、私の場合、1カ月程度の運用で、4、5回の改良では個別作業の時間推移、コンバージョン率とも明確に追えるようになります。
ここに、もう一つ重要な運用ポイントがあります。
「チェック作業の100%を、管理者自身でやってはいけません」
管理者は基本的に忙しいので、全部を自身で行うと継続性が損なわれるリスクが高いです。難しくないチェック作業は、誰か別のスタッフをアサインしてチェックしてもらいましょう。ここでいう難しくないチェックとは、入力するしない、入力ミスの確認程度のことです。管理者は簡単なチェックを通過したものに対して、念入りに、業務的な指導すればよいです。ちなみに私の場合、このチェッカーは管理者候補生をアサインして、チェックスキルとExcelを両方学習してもらいました。
そのように継続して、指導すると、そのうちにスタッフは一日の行動を整理でき、それぞれの標準作業時間も意識できるようになります。次は時間の使い方について、共有カレンダーにて、スケジュール作成し、レポートさせると、たいがいはうまくやれます。
ここまでの指導は管理者あるいは教育者の責任ですが、ここまで来れると成果が上がるのは時間の問題だと思います。