第14回 欲を抑えたがるベトナム人

大昔、日本で留学している間に、年1回は帰国していました。日本の習慣に慣れてきているのと、ベトナムの習慣を忘れていく中で、親に失礼だと怒られたこと(事例)があります。それは、「みんなにご飯を誘っていないじゃないか」というわけです。ベトナムの習慣として、全員をそろえるまで待ち、そして、年下のものが順に、自分より年上に対して、「○○さん、どうぞ、ご飯を召し上がってください!」と言ってからでないと、ご飯を食べてはいけないことになっています。そうでなければ、失礼だとみられます。その習慣を忘れて、さっさと先に食べた自分が怒られました。少なくとも私が知っている日本人はみんなでレストランでセットメニュー食べる時には、待ってもらうのは悪いので、「ご飯が熱いうちに食べてください」といい、上下関係なく、ご飯が来る順に食べてます。ちょっとした違いですが、日本スタイルは怒られます笑

そして、日本の学生があんなにも授業中に寝ているのも驚きました。ベトナムだと、絶対に先生に怒られ、道徳点数が減点され、場合によって、親が呼ばれる羽目になりかねません。そして、どこの本屋でも、グラビア雑誌が置いてあるのもかなり興味惹かれました。留学した90年代も今もグラビア写真集などは禁止される印刷物として、空港の通関口で没収されるぐらいかなり厳しく取り締まられています。そういう意味で人間の3大欲と言われている食欲、睡眠欲、性欲ともベトナムと日本とで、接し方がまるで逆のように思います。片方の日本は自由に開放させており、片方ベトナムは抑圧しています。

私はどちらかというと抑圧しない方が良いと考えている方なので、周りからはやや変に思われているかもしれません。というのも抑制すると精神的に何かと圧力がかかって、そのうちに別のところで、ストレスが形となって現れてくると言われています。ベトナムの社会を考えると、そういう意味で欲を変に抑えているため、別の欲が強く出ているようなことが、 いくつもあります。例えば、ベトナムの大金持ちはブランド品や超高級車を所有して、自慢したり、メディアに多く露出したりします。ニュースをみると、「○○女優さんが○○億ドンのバグを持っている」ようなニュースが山ほどあります。お金で満たされていない欲を満たそうとしているかもしれません。

弊社の人間の誰かが大金持ちになって、ニュースになってほしいところですが、そういうレベルではなくても、社員が日常的にそう言った欲求の抑制を少しでも柔らげられるとバランスの取れた生活ができて、お金ばかりに追う状態から脱せるであろうと考えています。スモールソサイエティ―の会社なので、できることには限界がありますが、やってみたいアイデアがあります。

・食べること:今までは当然ながら時間中は食べてはいけません。過去に管理者がいなくなると、スタッフが時間中でも平気でカップラーメンを食べていた事件がありました。あまりにも会社のルールを無視したので、会議室に呼んで、指摘したことがあります。
しかしながら、クライアント対応関係で早めのランチや遅めのランチもあるため、午前11時~午後2時の間は会社のカウンターバーで食べてもOKとしています。

・寝ること:仕事中に、突如の眠気に襲われ、寝ないよう、ただただ頑張って、とにかくノートをつけるが、あとでノートを読むと、全く意味を理解できないような字や文書だったというような経験はありませんか? その対処方法は居眠りだそうです。瞑想を教える本にも書かれていますが、座って、よく呼吸すると15分〜30分くらいで頭がスッキリするといいます。今度、会社で瞑想室でも作って、そこで、眠気を退治して、良い状態で、席に戻ってもらいたいと思います。
※まずは自分のためです笑

次回は「権限がないから、誰にも言えませんよ」について考えてみます。