失敗しない!
適性検査の選び方

人事担当者が押さえるべき
5つのチェックポイント

■はじめに 「導入したけど使いこなせない」にならないために

適性検査を導入している企業は年々増えています。しかしその一方で、「何となく有名だから選んだ」「導入したが現場で使われていない」といったお悩みも多く聞かれます。
適性検査は、ツールそのものの優劣よりも、自社の目的や運用体制に合っているかどうかが成果を左右します。
本コラムでは、自社に合った適性検査を選ぶための5つの視点を、現場目線で整理しました。

※適性検査の基本については、別コラム「適性検査とは?~目的・内容・活用シーンまでわかりやすく解説~」をご覧ください。

■適性検査 選びでよくある失敗

まずは、適性検査の選定時によくある失敗例を3つご紹介します。

有名だからといって導入したが、自社に合わなかった

適性検査の知名度で選ぶケースもあると思いますが、自社の課題や活用目的に合っていない検査を導入すると、現場で活用されずに形骸化してしまうことがあります。

報告書の情報量が多すぎて面接の現場で使えなかった

適性検査によっては、数ページにおよぶ詳細な分析結果が出力されるものもありますが、面接の限られた時間の中で使いこなすには不向きです。「情報が多すぎてどこを見ればいいか分からない」「結局ほとんど確認していない」など、本末転倒な状況になることも少なくありません。

価格の安さだけで決めてしまい、報告書の質が悪かった

「なるべくコストを抑えたい」というニーズは当然ありますが、価格だけで判断すると、思った以上に中身が薄い検査を選んでしまう危険性があります。検査結果が簡易的すぎると、どのように判断すればよいか分からず、具体的な活用につながらないのです。

ヒューマンキャピタル研究所に新規でお問い合わせいただくお客様のうち24.3%、およそ4社に1社が上記のような課題を抱えています。
活用できない適性検査を導入しても意味がありません。適性検査の導入で失敗しないためには、どのような視点が必要なのでしょうか?次の章で詳しくご説明します。

■適性検査を選ぶ際の5つのポイント

数多くの適性検査の中から、自社に最適なものを選ぶには、以下の5つの観点が特に重要です。

【1】自社の目的に合っているか

適性検査ごとに診断項目やレポート内容は変わってきます。まずは「何のために適性検査を導入するのか」を明確にし、自社が必要としている情報がその診断結果から確認できるかどうかをチェックする必要があります。

【2】受検時間と受検のしやすさ

受検者の負担を考慮すると、受検時間は10~20分の短時間のものが理想的です。また、PC・スマホ・タブレットの受検に対応しているか、オンラインで完結できるかどうかも導入を左右するポイントです。

【3】診断結果の分かりやすさと活用のしやすさ

報告書が誰にとっても理解しやすいことが重要です。専門知識がなくても内容を読み取れる構成かどうか、現場で使いやすい形式になっているかを確認しましょう。

【4】信頼性や妥当性はどうか

適性検査は信頼性や妥当性のあるものを選ばなければ意味がありません。診断結果の妥当性が高く、これまでの実績がホームページ等で公開されている検査を選ぶと安心です。

【5】メンタルヘルスを確認できるか

精神的な安定性やストレス耐性に関する項目が含まれているかは、現代の職場環境では非常に重要です。メンタルヘルスの問題は第三者からは分かりにくく、採用時や配置時に“見えないリスク”となります。そうしたリスクを予防するうえでも、ストレス耐性や不調リスクの示唆がある検査が有効です。

適性検査は種類も特徴もさまざまで、どれが優れているかは一概にはいえません。
だからこそ、機能や価格だけで判断するのではなく「導入の目的」「運用体制」「現場での活用イメージ」といった視点から、自社に合った検査を選ぶことが重要です。

■適性検査を比較する際のチェック項目

上記のポイントを踏まえたうえで、複数の検査を比較する場合は、以下のような項目で整理すると判断しやすくなります。

比較項目 チェック項目の例
受検時間 15分以内か/受検者の負担が大きくないか
対応デバイス スマホ/PC/タブレットへの対応の有無
結果レポート 分かりやすさ/視覚的な表現の有無
診断項目 性格特性/価値観/メンタルヘルスなど
活用範囲 採用/配置/育成/離職防止など
導入実績 導入社数/サービス提供年数
サポート体制 導入・運用サポート/運用マニュアル/相談対応の有無
価格 初期費用/1人あたり費用/ランニングコスト

このように表にまとめて比較することで、自社にフィットする適性検査が見えてきます。

■まとめ 現場で活用できる適性検査を選ぼう

適性検査は、人材の理解、配置の最適化、育成や指導、そしてメンタルヘルスの予防にもつながる、人事戦略の土台となるツールです。
検査項目や報告書の内容に加えて、「現場で活用できる内容か」といった視点を持つことで、導入効果は大きく変わります。大切なのは、「選んで終わり」ではなく「どう活かすかを考えて選ぶ」こと。自社に合った適性検査を選定し活用することで、精度の高い人材採用と効果的な人事戦略が可能となります。

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